交通事故が起きてから解決までの具体的な流れは?
このページでは、交通事故が起きてから、解決(示談成立)となるまでの具体的な流れを解説していきたいと思います。
(1)事故発生
事故に遭ったら、例えどんなに小さな事故でも、怪我人のいない物損事故だとしても、必ず警察と保険会社に連絡しましょう。
事故が発生したときにしなければならないことや、警察が行う実況見分調書、そしてどんなことに注意しなければならないかなどについては、詳しくはこちらのページ人身/物損の交通事故をした時に、まずするべき事?警察による実況見分調書とはでお話しています。
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(2)治療開始
怪我などをしている場合、通院または入院などの治療が、当日または翌日から開始されます。
交通事故による体の痛みや異常は、時間が経過したあとから出てくることも多いため、痛みを感じたらすぐに病院へ行くようにしましょう。
自分の過失が少ない場合、または10:0などで自分には過失がない事故の場合、治療費は保険会社が直接病院に支払ってくれます。
もし、自分の過失が多い場合は、健康保険を使用して治療をした方がいいケースもあります。
交通事故の治療に健康保険は使えないと言ってくる病院もありますが、届け出・手続きを行うことで、健康保険を適用させることは可能です。
病院への通院にかかった交通費などは、自家用車で通院した場合はガソリン代、タクシーを利用した場合にはタクシー代が認定されたとしても、申請して精算されるまでは立て替えが必要になりました。
※「個人情報取り扱いに関する同意書」の記入が求められる
治療を開始してからだいたい1ヶ月から2ヶ月ごとに、保険会社から"個人情報取り扱いに関する同意書"などという名前の用紙が送られてきます。
保険会社からは、この同意書にサインをして返送してくださいと指示があります。
同意書と聞くと、「サインしてしまっても大丈夫なのか?」、「今後の示談金の支払いなどに影響はないのか?」などと不安になってしまうかもしれませんが、この個人情報取り扱いに関する同意書とは、勘違いしている人も多いですがそもそも保険会社のための書類ではありません。
この書類は、あなたの治療費などを保険会社が病院に支払うために必要となる書類のため、むしろあなたにとって必要な書類と言えます。
同意書がなければ、保険会社は病院への治療費の支払いようがありませんから、忘れないように返送しましょう。
また、この同意書にサインをしたことでこの先の示談に直接的に影響するものではありません。
※交通費の立て替え分の請求も行う
保険会社に同意書の返送するときにあわせて、交通費の請求も行っていました。
実際のところ、立て替えた交通費などの請求のためには、領収書が必要になるので、必ず保管しておくようにしましょう。
交通費などの申請をしてから、実際に精算が完了して立て替えたお金が戻ってくるまでは、だいたい1ヶ月前後はかかってしまいます。
事故により仕事を休んでしまった分の休業損害(休業損害証明書)も、この同意書や交通費などの申請と一緒に行えば大丈夫です。
※担当者から、電話での怪我の状態の確認が定期的にある
治療中には、保険会社の担当者からだいたい1ヶ月から2、3ヶ月に一度、「お身体の状態はいかがでしょうか?」と電話で確認されます。
私の場合は「以前と比べてどうか」、「痛みのある箇所(部位)に変わりはないか」、「治療の内容」、「担当のお医者様は何と言っておられますか?」なども聞かれることがありました。
そんなの診察カルテ見ればわかるでしょ?と言いたいところですが、ご本人様から確認を取らないといけませんので...とか何とか言われます。
治療を開始してから3ヶ月や半年程度経過すると、「治療開始から○ヶ月経過していますので・・・」などと、そろそろ治療のほうは打ち切りたいといったニュアンスなことを言われたりします。
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(3)症状固定
治療により症状が完治した場合には、その時点からすぐに保険会社との示談交渉が始まります。
反対に「症状固定」とは、これ以上治療を行っても症状が軽減または完治しないと判断された場合のことです。
この症状固定は、治療の打ち切りという言い方もされており、症状によって異なるもののだいたいが治療開始から3ヶ月から6ヶ月程度が目安と書かれているのを目にしますが、私は1年ほど通院したこともありますので、結局のところは患者さんとお医者さんの判断という部分も大きいかな、と思います。
少なからず保険会社が「○ヶ月で治療は打ち切りです」などと判断するものではないですね。
症状固定とする場合、「後遺障害」を視野に入れて行動していかなければいけませんが、後遺障害については、こちらのページ交通事故で後遺症が残った!症状固定や後遺症、後遺障害の違いは?後遺障害の認定はするべき?等級認定のメリットとは?で詳しく解説しています。
私の場合は、症状固定で納得?妥協?して、後遺障害の申請のために病院で申請の記入をしてもらうために診察を受けてから、医師が書類を書き終えて連絡をもらうまで1ヶ月ほどかかりました。
その病院、医師にもよりますが、後遺障害申請のための書類を依頼してから、書類が出来上がるまでに早くても1週間前後はかかります。
書類ができたと連絡を受け、申請の書類を再び病院に受け取りに行き、保険会社に郵送してから、次は後遺障害の認定がされるかどうかの審査には、だいたい1ヶ月から2ヶ月ほどの期間がかかります。
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(4)後遺障害の認定/または非該当の結果が出る
後遺障害の認定結果の通知は、文書で届きます。
後遺障害を申請したからと言って、完治していない自分の症状が必ずしも後遺障害として認定されるわけではなく、申請したところで"非該当"と判断されることもあります。
後遺障害に認定されたところで、どの等級に認定されるかによって、受け取れる金額がかなり変わってきます。
多くの人が症状固定、治療の打ち切りとなった時点で、交通事故専門の弁護士に相談しているのは、このためなんですね。
弁護士に相談することで、認定された後遺障害の等級があなたの症状にとって的確な等級かどうかを確認することができます。
私たちのように専門的な知識がないと、保険会社から言われるがままになってしまいますし、言われている内容が正しいかどうかなど、到底判断なんてつかないんですよね。
ましてや身体の痛みとも戦いながら、保険会社のかたから専門用語混ざりの質問やお話をされてもわけがわかりませんし、次から次から判断していかなければならないことを問われても、ほんとあの頃はパニックになりました。
事故をしていろいろ右も左もわからないときに、弁護士さんのようにとりあえず自分の立場に立って相談に乗ってくれる、専門知識を持った人がいてくれるってことだけでも、ほんとに心強いですよ。
また、もし認定された等級に納得出来ない場合には、異議申立を検討することもできます。
異議申立は、期限や回数の制限は特にありませんが、時効はありますので注意が必要で、異議申立をした場合に結果が出るまでにはさらに2ヶ月ほどかかるそうです。
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(5)示談交渉の開始
後遺障害の認定などが終わると、示談交渉を開始しましょう。
示談交渉に入ると、保険会社の方から実際にかかった治療費や交通費をはじめ、精神的苦痛に対する慰謝料などがガイドラインに沿って計算され、あなたに提示されます。
保険会社の心理としては、ガイドラインには沿うものの、被害者に支払う金額は最低限で抑えたいがために、それっぽい理由を何かした付けて、極力低い賠償金額で済ませようとすることがとても多いです。
いくらガイドラインがあるとは言えども、提示された金額が本当に適切かどうかは自分で判断するしかなく、それが本当に受け取るべき金額として妥当か?なんてことは、そう簡単にはわかりませんよね。
その損害賠償が貰うべき最低限の金額なのか、それとも貰える最大限の金額なのかって、これってかなり違いますよ。(^_^;)
示談金に関して、交通事故専門の弁護士に相談したところ、保険会社の提示金額が引き上げられたという話をよく聞きます。
ほとんどの方の任意保険に「弁護士費用特約」といって、300万円以下などその範囲内であれば弁護士費用を保険会社が負担してくれるものが付いていたりするので、弁護士費用が高いかも・・・と悩むこともないかもしれませんね。
示談の金額に納得するまで、交渉を行います。
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(6)示談の合意/解決
保険会社の提示した金額にあなたが合意、または示談書に署名した時点で、示談が成立します。
納得しなければ引き続き示談交渉を行えばいいんですが、示談書にサインしなくてもあなたが口頭ででも示談に合意した時点で法律的にも示談成立とされてしまいますので、注意してください。
ちなみに、一度示談をしてしまいますと、請求し忘れた分などがあったとしても後から支払いを要求することはかなり難しいので、よく考えて示談することをおすすめします。
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(7)賠償金の振り込み
保険会社から送られてきた示談書に署名し、保険会社に返送してから、だいたい2から3週間前後で、あなたが指定した口座に賠償金が振り込まれます。
保険会社は、貴方が「もういいです」と妥協するのを待っています。
ここまできて、やっとこの事故が一件落着します。
ザッと流れを見ただけでも、ちょっとウンザリしてしまいそうですよね・・・。
しかし保険会社は、私たちがそうやって手続きや交渉にウンザリして、「もういいや・・・諦めよう」となるのを待っているケースもあります。
そうやって戦うことを諦めて少ない賠償金額で済ませることができれば、保険会社はその分有り難いわけです。
別に私は、保険会社と真っ向から戦ってください!と煽っているわけではないんです。
ただ私は過去に、保険会社と長期に渡りやり取りしていること自体が精神的苦痛になり、「もうそれでいいです」と手を引いてしまったことがあります。
ですがそうしたことで、後から自分の後遺障害と向き合い、治療のために病院にかかればかかった分だけ、受け取った賠償金はあっという間になくなりました。
後遺障害って、このまま治療していても、痛みがない状態=ゼロにはならない、つまり「体がもう、事故前の元には戻りませんよ」ってものなんです。
結局、示談書にサインをしてからは自分の後遺障害と付き合っていくのはあなた自身です。
ほんとに、今後一生自分の身体と付き合っていく上で、最後にいくら賠償金が貰えたかって、とっても重要。
こうして私がこのHPを作っていく中で、はじめて「弁護士費用特約」のことを知って、今思えば私の示談交渉でも、ちゃんと弁護士さんに相談しておけばよかった、と後悔しています。
「私の後悔した体験談も」交通事故の示談交渉・慰謝料増額を弁護士に依頼するメリット!デメリットはある?
後悔しないためにも、頑張ってくださいね。
↓まずは気軽に無料相談するのが◎